【2024年版】電気代が高い原因が分かる!及び節電方法も解説
身近で、生活に欠かせない電気ですが、そもそも電気代が決まる仕組みって何?と思った事はありませんか?どうせ高い電気代を払うなら、納得して払いたい!
でも、なんとかして、電気代を安くしたい!と思い、官庁の資料等を調べ、筆者の独自の視点も盛込み、なるべく簡素に纏めました。この記事を読めば以下の事が分かります。
- 日本の発電方法の割合
- 火力発電燃料の種類と割合、輸入先
- 電気代の内訳と仕組み、計算方法
- 電気代が高い原因は、『燃料費調整単価?』
- 政府の電気価格激変緩和政策について
- 節電のポイントは、エアコン、冷蔵庫にあり
発電方法の割合と種類
そもそも電気を作るための発電方法は様々ありますが、上図から2022年度における日本の発電方法は、『火力発電』がメインであることが分かります。
意外かもしれませんが、原子力発電の割合は、『6.4%』となっています。資源エレルギー庁の発電設備容量・電源発電電力量実績によると、2000年の34%をピークに減少しています。これは福島第一原発事故以降に策定された新規制基準(原子力施設の設置、運用等の可否判断の変更)、カーボンニュートラル等の時代の流れ、政府方針等による影響が大きいと考えられます。
発電方法の割合と種類及び、輸入先
前述の通り、日本の電気需要を賄うメインの発電方法は、『火力発電』です。
発電するためには、燃料が必要です。
ここでは、火力発電で使う全体の87.6%を占める燃料(LNG、石炭)の概要と輸入先を見ていきます。
LNG(液化天然ガス)の輸入先
LNGは、天然ガスを約マイナス162℃まで冷却して液体にしたもの。
大気汚染の負荷が低くクリーンなエネルギーです。都市ガスとしてなじみ深いです。
主な輸入国は下図の通り、豪州とマレーシアで約5割を占めています。
石炭の輸入先
石炭は、原料炭と一般炭に分かれ、それぞれ下記の用途で使われます。
- 原料炭は一般的に粘結性のある石炭で、主に製鉄を作る際のコークスの原料
- 一般炭は主に発電用の原料
主な輸入国は下図の通り、豪州だけで約5割を占めています。
火力発電の化石燃料のほぼ全てを、輸入に頼っているのが現状です。
豪州は、日本にとって重要な貿易相手国であることが分かります。
火力発電の燃料についてのまとめ!
電気代の内訳と概要、計算方法
電気代の内訳と概要
上図から、月々の電気代の内訳と概要を下記表に纏めました。
メニュー | 概要 |
基本料金 | 電力会社が定めている契約容量毎の金額 |
電力量料金単価 | 燃料費調整制度により、主に火力発電の燃料であるLNG、石炭、原油と、為替の過去3か月間の平均価格の調達コスト及び、各電力会社の算出方法にて決まる。そのため、電力会社毎に単価が異なる。 (例:2021/12~2022/2の平均価格の調達コストは、2022/5に反映される) |
燃料費調整単価 | 燃料費調整制度により、主に火力発電の燃料であるLNG、石炭、原油と、為替の過去3か月間の平均価格の調達コスト及び、各電力会社の算出方法にて決まる。そのため、電力会社毎に単価が異なる。 (例:2021/12~2022/2の平均価格の調達コストは、2022/5に反映される) |
再生可能エネルギー 発電促進賦課金単価 | 再生可能エネルギー(新エネルギー:太陽光発電ほか)電気の固定買取り価格に応じて、毎年経済産業省にて決定される ※単価掲示は、経済産業省のニュースリリースにて確認できる |
電気代の計算方法
例として、筆者の2022年12月の電気代から計算します。
従量電灯契約です。
料金 =⑤8,871円(①1,144円+②5,642円64銭+③1,246円59銭+④838円)
- 1,144円(基本料金)
- 5,642円64銭(電力量料金:電力料金単価×★電力使用量)
- 1,246円59銭(燃料費調整額:③-1燃料費調整単価×★電力使用量)
- 838円(再エネ発電賦課金:④-1再エネ発電賦課金単価×★電力使用量)
- 8,871.23円(消費税含む)
電気代の内訳と概要、計算方法のまとめ
筆者が契約している従量電灯は最もポピュラーですが、従量電灯A,B,Cの違いは分かりますでしょうか?下記にて解説しています
電気代が高くなる原因
ここでは、火力発電の燃料である、原油価格・天然ガス(LNG)価格・石炭価格について、市場のニーズから為替も考慮して、燃料調整単価の価格遷移を見ていきます。
前述した通り原材料は輸入に頼っているため、為替のドル円が円安になるほど、輸入価格も高くなってしまいます。
★青の線:燃料調整単価
ここで、2022年8月から石炭価格が上昇しているのに関らず、燃料調整単価が『5.13円』で高止まり(上限価格は電力会社で異なります)し、電気代が高騰しています。
※本来はもっと電気代が高くなっていたと推定されます(その費用分を電力会社で負担)
これは、2016年の電力自由化前の規制部門(法律で定められた方法にて料金設定)の対象で、現在も経過処置として継続しているため、上限価格で高止まりしています。
規制価格変更には、国の許可が必要ですが、昨今の燃料費高騰で、東京電力では2023年6月より規制料金の値上げ申請し、受理されています。
各電力会社も値上げ申請している流れがあります。
試しに、2022年12月分の電気代を2021年1月の燃料費調整単価で計算した見込み料金です。約1,263円安くなっています。
- 燃料費調整単価:+5.13円の場合(実績単価)
電気代:8,871円(燃料費調整単価は、+1,246円:5.13×243kwh)が含まれる
- 燃料費調整単価:-5.2円の場合(2021年1月の燃料費調整単価で計算)
電気代:7,608円(燃料費調整単価は、-1,263円:-5.2×243kwh)が含まれる
電気代を下げて節約する方法はあるのか?
既に解説した通り電気代は上がっていくだけなのでしょうか?
電気代を下げる取組みについて、2点解説します。
政府の電気価格激変緩和政策について
昨今のエネルギー高に伴う経済対策について、2022年10月28日に閣議決定。
2023年1月~2024年4月までの電気料金などの規制部門(燃料調整単価)を補助することで、1kWh当たり、3.5円値下げしています。
詳しくは、「資源エネルギー庁ウェイブサイト」を参照。
【節電】家庭で出来る節電方法4選
上図から、家庭の電気使用量の占める約50%以上は、「エアコン」「冷蔵庫」「照明」となります。
ここから、資源エネルギー庁の省エネポータルサイトより抜粋した、手軽に出来る節電方法を紹介します。
- エアコン
- 設定温度(無理のない範囲)
- 冬場:設定温度は、20℃を目安に
- 夏場:設定温度は、28℃を目安に
- 必要な時だけ使用(付けっぱなしにしない)
- 月1のフィルターのお掃除
- 設定温度(無理のない範囲)
- 冷蔵庫
- 熱い物を冷ましてから冷蔵庫へいれる
- 冷蔵庫の設定温度は「中」or「弱」
- ドアを開ける時間は短く
- 照明
- 電球型LEDランプに取り換える
- リビングや各部屋の照明をLED照明へ
- 必要な時だけ使用する
- 番外編(筆者対策)
- カーテンと床との隙間を短くして、外からの温風、冷風を軽減
- 出来るだけ家族で1つの部屋で過ごす(エアコン、照明の稼働減)
- 夏場のエアコンは、扇風機を併用。エアコンの冷風を部屋全体に巡らせるのを補助して節電