【2024年版】電気料金の従量電灯の違いは?地域で費用も違う?疑問を解説
電力の小売り自由化により、様々な電気料金が出ている昨今においても、従来の電気料金プラン(従量電灯:じゅうりょうでんとう)を使用している家庭は多いのではないでしょうか? 筆者もその家庭の1つです。
昨今の物価高騰により電気代が高いと感じたため、従量電灯プランについて、官庁の資料や大手電力会社の情報を調査、比較した結果をなるべく簡素に纏めました。この記事を読めば以下の事が分かります。
- そもそも従量電灯とは
- 従量電灯a b cの違いが分かる
- 大手電力会社によって、従量電灯料金の違いが分かる
- 従量電灯、新電力料金はどっちがお得か?
そもそも従量電灯プランとは
契約容量(同時に使える電気の最大値)によって決まる『基本料金』(電力会社により設定していない場合あり)と、電気使用量に応じて計算される『電力量料金(3段階の単価設定) 』の合計で電気料金が決まります。
1974年から従量電灯の使用量に応じて料金単価が上昇する、いわゆる3段階料金制度が始まりました。
2016年4月から電力小売の全面自由化が開始されており、各地域の電力会社(東京電力、関西電力等)だけの独占販売から、他の事業者による電気小売市場の参入が始まりました。
大手電力会社を含め、様々な料金体系が増えたことで、家庭の選択肢が広がっています。
参考出典先
・経済産業省:第2回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 資料4-2 電気料金の水準
・資源エネルギー庁ウェイブサイト:電力の小売全面自由化って何
従量電灯a b cの違いを解説
大手電力会社(旧一般電気事業者)のプランを調査したところ、各電力会社により名称も異なる事が分かりました。プランの概要と共に、下記の表にまとめました。
会社名 | プラン | 概要 |
北海道電力 | 従量電灯A | アパート等の集合住宅の共用灯等での電灯または小型機器を使う場合。 最低料金で使用出来る電力量を越えた分について、超過分を超える 1kWh毎の単金を支払うイメージ。 (最低料金+超過分) |
東北電力 | ||
東京電力 | ||
中部電力 | ||
北陸電力 | ||
九州電力 | ||
関西電力 | 定額電灯 | |
中国電力 | ||
四国電力 | ||
沖縄電力 |
会社名 | プラン | 概要 |
北海道電力 | 従量電灯B | 一般家庭向けで現在も広く使われている電気料金プラン。 使用量に応じて料金単価が3段階上昇する料金体系。 各電力会社で内訳は異なるが、基本的に下記の範囲で 1kWh毎の単価設定されている。 ① 最初の120kWhまで ② 120kWhをこえ300kWhまで ③ 300kWhをこえる |
東北電力 | ||
東京電力 | ||
中部電力 | ||
北陸電力 | ||
九州電力 | ||
関西電力 | 従量電灯A | |
中国電力 | ||
四国電力 | ||
沖縄電力 | 従量電灯 |
会社名 | プラン | 概要 |
北海道電力 | 従量電灯C | 大型住宅、小売店、医院など向け。 ※契約容量が6キロボルトアンペア(kVA)から50kVA未満 使用量に応じて料金単価が3段階上昇する料金体系。 ① 最初の120kWhまで ② 120kWhをこえ300kWhまで ③ 300kWhをこえる |
東北電力 | ||
東京電力 | ||
中部電力 | ||
北陸電力 | ||
九州電力 | ||
関西電力 | 従量電灯B | |
中国電力 | ||
四国電力 | ||
沖縄電力 | 従量電灯 plus | 従量電灯と同一の料金で、よりポイントが貯まる |
まとめ
①アパート等の共用灯等で加入する従量電灯プランは
例えば
- 北海道電力では、従量電灯A
- 関西電力では、定額電灯
②一般家庭向け従量電灯プランは
例えば
- 北海道電力では、従量電灯B
- 関西電力では、従量電灯A
- 沖縄電力では、従量電灯
③大型住宅、小売店、医院など向け
例えば
- 北海道電力では、従量電灯C
- 関西電力では、従量電灯B
- 沖縄電力では、従量電灯plus
従量電灯価格は、大手電力会社によってが変わる!!
ここでは一般家庭向けに広く使われている従量電灯プランで見て行きます。
各大手電力会社により、基本料金の有無、料金単価、3段階上昇する電力使用量の範囲が違う事が分かります。
そのことにより、同じ電力使用量でも大手電力会社によって、電気代が異なります。
下記表でまとめました。
▼前提
- 40A 、電力使用量:250kwh
- 燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金は含めない
- 2023/12/29の調査時点での価格
会社名 | プラン | 基本 料金 (円) | 電力量 | ||||||
料金単価(円)※1kwh | |||||||||
~10 kWh | ~11 kWh | ~15 kWh | ~120 kWh | ~280 kWh | ~300 kWh | 合計(円) | |||
北海道電力 | 従量電灯B | 1,496.00 | – | – | – | 35.44 | 41.73 | – | 11,173 |
東北電力 | 1,478.40 | – | – | – | 29.71 | – | 36.46 | 9,783 | |
東京電力 | 1,180.96 | – | – | – | 30.00 | – | 36.00 | 9,460 | |
中部電力 | 1,188.00 | – | – | – | 21.33 | – | 25.80 | 7,101 | |
北陸電力 | 1,210.00 | – | – | – | 30.83 | – | 34.72 | 9,423 | |
九州電力 | 1,264.96 | – | – | – | 18.28 | – | 23.88 | 6,562 | |
関西電力 | 従量電灯A | – | – | – | 433.41 | 20.31 | – | 25.71 | 5,908 |
中国電力 | – | – | – | 712.67 | 32.83 | – | 39.51 | 9,296 | |
四国電力 | – | – | 667.00 | – | 30.66 | 37.28 | – | 8,855 | |
沖縄電力 | 従量電灯 | – | 640.75 | – | – | 40.07 | 45.61 | – | 10,977 |
(一般家庭向け)
合計金額をご確認下さい。
筆者のシュミレーションでは、月額料金が一番高い電力会社は、
『北海道電力の11,173円』
最安値は、『関西電力の5,908円』の結果となりました。
実に5,265円もの差があることが分かります!!
この価格差は、恐らくとなりますが、原発の稼働数の違いとなります。
稼働中の地域は、関西電力、四国電力、九州電力のみです。
※2023/12/29時点。確認先:原子力規制委員会
従量電灯料金と、新電力料金どっちがお得?
東京電力の従量電灯Bと、スタンダードS(新電力料金)の違いの例では、スタンダードSの料金体系(電力量料金の単価)は、従量電灯Bと変わらないです。スタンダードSは、支払った金額からポイントが貰え、電子マネーに交換出来るメリットがあります。
ですが、燃料費調整額の規制範囲外のプランであるため、燃料費高騰の場合、従量電灯Bより高額になる可能性があります。
各電力会社で、様々な新電力プランがありますので、チェックしてみては如何でしょうか。
『電気代が高くなる原因』について、筆者の電気代を例に、日本の電力事情を踏まえ、解説しています。